ゲートキーパーとは
ゲートキーパーは「門番」という意味で、自殺対策において自殺予防を図る番人の役割を果たすことが期待されています。特別な資格は必要なく、誰もがその役割を果たすことができます。
周囲に自殺が懸念される人がいないかを察知し、声を掛けて話を聞き、必要に応じて専門の相談窓口を紹介し見守るのがゲートキーパーの役割です。家族や友人、学校の先生や職場の同僚や上司など身近な存在の誰もがゲートキーパーになります。
ゲートキーパーの4つの役割
ゲートキーパーとして自殺の未然予防を図るための重要なカギを握るのが4つの要素です。
その4つとは「気づき」・「傾聴」・「つなぎ」・「見守り」です。
- 気づき:家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
- 傾聴:本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
- つなぎ:早めに専門家に相談するよう促す
- 見守り:暖かく寄り添いながら、じっくりと見守る
悩んでいる人に気づき、寄り添い、話を聞いたり、相談窓口や専門家へとつなげたり、見守りを通じて、自殺を防ぐことができると考えられています。
ゲートキーパーとしての対応方法
身近な友人や職場などでも、メンタルヘルス不調で悩む人や「死にたい」と相談されることは誰にも起きうることです。このような場合に、どのように対応したら良いのでしょうか。
気づき:家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
まず、「おかしいな」と思ったら、声を掛けることが大切です。
何か様子がおかしいと感じると、人は様子を窺ってしまい、声は掛けないほうが良い、そっとしておいたほうが良いと思いがちです。ですが、その判断がかえって孤独を生んでしまうことにもつながります。
気になる様子があったら声を掛けて、「あなたを心配しているよ」と伝えることが大切です。「何か困ってない?」、「よく眠れてる?」など、相手が悩んでいる点や辛い点を反応しやすいように声をかけます。
声かけの例
- 眠れてますか?(2週間以上続く不眠はうつのサイン)
- どうしたの?何だか辛そうだけど・・・
- 何か悩んでる?よかったら、話して。
- なんか元気ないけど、大丈夫?
- 何か力になれることはない?
傾聴:本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
相手が反応して話をしてくれたら、しっかりと傾聴します。
「あなたに話して良かった」「聞いてもらって良かった」と思ってもらえるよう、丁寧な態度で、話をそらさず、相手の気持ちを受け止め、訴えに耳を傾けましょう。
話を途中で遮ることや「それはダメだよ」「そんなことで悩んでるの?」などと言うことをせずに、相手の話をしっかりと聴きます。辛い心境をじっくり聴いてもらうことだけでも、本人の気持ちは楽になり、自殺のリスクを小さくすることができます。
つなぎ:早めに専門家に相談するよう促す
話を聞いただけでは解決が難しいケースの場合は、「一緒に考えましょう」「一緒に解決していきましょう」という寄り添いが必要です。
一緒に解決するといっても、ゲートキーパーとなった方が一人で抱え込む必要はありません。自分一人で解決するのは難しいケースがほとんどです。
抱えている悩みや精神状態などに応じて、適切な専門家や相談窓口を案内し、解決ができるまで寄り添う姿勢を見せ、実際に解決の過程を見守りながらサポートしていきます。
つなぐ際のポイントとして、「こんな場所に相談してみたら」と押しつけすぎないよう気をつけます。精神状態や本人に相談を躊躇する様子があるなど自ら相談することが難しいと判断された場合は、あらかじめ本人の了解を得たうえで代わりに連絡を取ることや相談窓口に同行することなども検討しましょう。
ただし、ゲートキーパーは本人の了解を得ていたとしても、相談窓口に本人の個人情報を提供することは必要最低限にとどめます。氏名などを伏せたうえで状況を伝えるなど、プライバシー保護にも配慮しましょう。
見守り:暖かく寄り添いながら、じっくりと見守る
ただ話を聞いて気持ちがすっきりする方もいますが、根本的な悩みの解決ができないと、一時的な心の安らぎにしかならず、再び思い詰めてしまいます。
自殺を防ぐためには、しっかり話を聞いたうえで、どのような窓口につなげば、根本的な解決につながるかを考えて、専門的な窓口などと連携しながら、継続的に見守ることが大切です。
相談窓口の例
相談窓口は抱えている悩みや状態によって、多岐にわたります。基本的には公的な窓口や医療機関がおすすめです。
たとえば、メンタルヘルスの問題や心身の不調の場合は、保健所や市町村の健康相談窓口、精神保健福祉センターなどに問い合わせましょう。
経済問題を抱えていることが悩みになっている場合、多重債務問題なら法テラスや消費生活総合センター、区市町村の消費生活相談窓口など、生活に困窮しているなら市区町村の生活相談窓口や福祉事務所が考えられます。
家庭問題の場合、育児の悩みなら市区町村の子供家庭支援センターや児童相談所、DVなら市区町村の配偶者暴力の相談窓口、家族や親の介護の悩みなら、市区町村の高齢者福祉の窓口などとコンタクトを取ってみましょう。