白書とは、各行政機関が毎年公表する統計情報や政策の成果と課題をまとめた資料です。イギリスにて表紙が白い紙が用いられて「ホワイトペーパー」と呼ばれていたことから、日本語では「白書」と言われるようになりました。
日本では、1947年に初めての白書「経済実相報告書(経済白書)」が公開しています。
政府として取りまとめて公開している情報なので、ある程度の信頼性と網羅性のある知見を得ることができます。
その中でも、メンタルヘルスと深く関わる以下の5つの白書と民間団体による1つの白書をご紹介します。
- 自殺対策白書
- 過労死等防止対策白書
- 子供・若者白書
- 厚生労働白書
- 労働経済白書
- 【番外編】自殺実態白書2013
メンタルヘルスの現状の問題や、政府としてどのような対策をしているかを体系的に学ぶためにお役立てください。
政府が公開している白書
自殺対策白書
自殺対策白書は、自殺に関する統計データと政府が実施した政策の実施状況を毎年国会に報告するための資料です。
- 根拠法:自殺対策基本法
- 概要:自殺の概要及び政府が講じた自殺対策の実施の状況についてまとめたもの
- 初めての発表:平成19年
- 発行主体:内閣府
過労死等防止対策白書
過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書で、過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめたものです。
- 根拠法:過労死等防止対策推進法
- 概要:過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめたもの
- 初めての発表:平成28年
- 発行主体:厚生労働省
子供・若者白書
「子供・若者白書」は、子ども・若者育成支援推進法に基づく年次報告書として、平成22(2010)年から作成され、毎年、国会に報告されています。
- 根拠法:子ども・若者育成支援推進法
- 概要:子ども・若者の状況及び政府が講じた子ども・若者育成支援施策の実施の状況をまとめたもの
- 初めての発行:平成22年
- 発行主体:内閣府
厚生労働白書
厚生労働白書は、厚生労働行政の現状や今後の見通しなどについて、広く国民に伝えることを目的に平成13年(2001年)から作成されています。
- 根拠法:?
- 概要:厚生労働行政の現状や今後の見通しなどを広く国民に伝える
- 初めての発行:平成13年
- 発行主体:厚生労働省
労働経済白書
労働経済白書は、雇用状況、労働時間の変化などを取りまとめた報告書です。基本的に白書は毎年1回作成されていますが、労働経済白書については令和2年度の作成が見送られて令和3年度に2年分をまとめて公表しています。新型コロナウイルスによる大きな影響を受けたためです。
- 根拠法:?
- 概要:一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題をまとめたもの
- 初めての発行:平成13年
- 発行主体:厚生労働省
令和3年版の労働経済白書は動画版も作成されています。
また、令和3年版の労働経済白書は「Kindle版」も発行されています。
Amanzonで購入(0円)をすればKindleに令和3年度版労働経済白書を見ることができるのでおすすめです。無料でスマホやタブレット端末で気軽に閲覧できるのは便利ですね。(もちろん、紙の白書も有料ですが販売されています)
民間団体が公開している白書
自殺実態白書2013(NPO法人ライフリンク)
自殺に関する資料として、ライフリンクが調査し取りまとめて公開した自殺実態白書があります。
2008年と2013年にそれぞれ公開されています。
白書で数字と政府の動きを理解しよう
白書はインターネットで誰もが無料で読むことができる貴重な資料です。日本の今を数字ベースで定量的に理解するのに非常に役立ちます。
また、政府としてどのような政策に着手しているのかや、政策目標・KPIの進捗も報告されているため、「政府の動き」も見えやすいです。そこから、「政府にはできなくて、個人や民間企業にできることは何か?」を着想する上でも活用できるかと思います。