パパゲーノ起業から3ヶ月の振り返り【7つの成功要因と2つの失敗】

創業3ヶ月の振り返り

株式会社パパゲーノを創業して3ヶ月が経過しました。良い機会だったので起業してから3ヶ月やってきたことを整理して、CEOとCOOそれぞれの学びやうまくいったこと、失敗したことなどを話し合いました。2022年6月25日にPodcastで1時間ほどのトークを公開しています。

この記事では、僕個人の振り返りをまとめます。

以下のような方はぜひ読んでいただけると嬉しいです。

  • これから起業することを考えている方
  • 創業直後にCEOとCOOがやっていることに興味のある方
  • 「メンタルヘルス×起業」に興味のある方
  • パパゲーノに少しでも興味のある方

Podcastもぜひご視聴ください〜。

やすまさ
やすまさ

けいと(COO)と2人で毎週Podcast番組『パパゲーノの秘密基地』を配信しているので、メンタルヘルスに興味のある方は登録いただけると嬉しいです!

株式会社パパゲーノとは?

株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、精神疾患やメンタルヘルス不調を経験した方の物語を込めたアート作品を制作し、企業のマーケティング、ブランディング支援を提供している会社です。

パパゲーノのパーパス(目指していること)

株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、精神疾患やメンタルヘルス不調を経験した方の物語を込めたアート作品を制作し、企業のマーケティング、ブランディング支援を提供している会社です。

パパゲーノ(精神疾患やメンタルヘルス不調の当事者)の物語を世界中に届けることで、精神疾患に対するスティグマの解消、パパゲーノ効果の拡充、自助・互助の拡充に貢献することで、パーパスの実現を目指しています。

パーパスに基づいた経営を徹底するため、収益の一部をメンタルヘルス産業の発展に貢献することへ再投資する制度を作れたらと考えています。

パパゲーノの社名の由来

パパゲーノの社名は、オペラ『魔笛』の登場人物に由来します。

パパゲーノは愛する人を失い死ぬことを考えますが、生きる道を選択します。

この物語に由来して、メンタルヘルスと自殺予防の研究では「パパゲーノ効果」というものが提唱されています。自殺を踏みとどまった人の物語をメディアが伝えることが、自殺の抑止効果があるのではないかという仮説です。

私たちは、似た境遇の人の「生きててよかった物語」に触れることで誰もが「生きててよかった」と実感できる社会を目指しています。

100人の「生きててよかった物語」を世界中に届けるのが私たちの夢です。

パパゲーノ効果とは何のこと?【自殺予防の基礎知識】
やすまさ
やすまさ

「パパゲーノ効果」については上記の記事で詳細をまとめています。

パパゲーノの事業内容

株式会社パパゲーノは創業直後から同時並行で2つの事業を立ち上げています。

【1】メンタルヘルスアート事業

1つがメンタルヘルス関連のアート事業です。精神疾患・メンタル不調当事者の物語を込めたアートを制作し、企業のブランディングやマーケティング支援に活用。100人の「生きててよかった物語」をアートを通じて世界中に届けます。

【2】コンサルティング事業

2つ目がコンサルティング事業です。WEBマーケティング、DX/SaaSビジネスの専門性を武器に施策の実行を支援。戦略や事業計画の立案からシステム開発やクリエイティブの制作まで統合的に顧客の目的達成に向けて伴走しています。

パパゲーノの創業メンバー

2022年3月2日に、代表取締役CEOの僕(田中康雅)、取締役COOの福田さん、エンジェル投資家の熊本さんの3人を発起人として法人設立しています。

パパゲーノのアート作品の事例

パパゲーノのアート作品一覧はホームページにて公開しています。

以下のページで確認いただけます。

また、アーティストさんへのインタビュー動画はYouTubeチャンネルにて公開しています。こちらもぜひ見ていただけると嬉しいです。

創業から3ヶ月でやってきたこと

創業から3ヶ月でやってきたことを、月ごとに簡単に箇条書きでまとめます。

創業直後の方や、これから起業しようとしている方の参考になれば幸いです。

3月(法人設立月)でやったこと:法人登記でドタバタ

2022年3月は、法人設立関連の手続きでドタバタしていました。

法人設立日は2022年3月2日ですが、代表の僕自身が2022年3月31日までサラリーマンをしていたため、社名を決めて、法人登記を何とか完了し、銀行口座を作り、ロゴや会社のホームページを作って創業リリースを配信した1ヶ月でした。

  • 渋谷のバーチャルオフィスを契約
  • 創業者間の持株比率をを決める
  • 格安の司法書士・行政書士に依頼して法人登記(公証役場で定款承認して法務局へ)
  • 銀行口座開設(GMOあおぞらネット銀行、みずほ銀行)
  • 資本金500万円を会社の銀行口座に振込み
  • 税務署などに各種必要な書類の提出(税理士さんに代行してもらう)
  • 会社の独自ドメインの取得
  • Google Workplaceの契約
  • エックスサーバーの契約
  • 「キャッシュエンジン経営」をすることの意思決定
  • メンタルヘルス関連のメディア事業から「アートNFT×メンタルヘルス」にピボットすることを決定
  • ロゴの作成
  • 会社ホームページの作成
  • PR TIMESを利用して創業プレスリリース配信
やすまさ
やすまさ

「キャッシュエンジン経営」とは、堅実に営業利益が積み上がるスモールビジネス型の事業で収益基盤を作りながら、その営業キャッシュフローでスタートアップ型のスケールしうる新規事業を育てていく経営手法です。

パパゲーノでは、コンサルティング事業をキャッシュエンジンと位置付けて、その営業キャッシュフローでアート事業に投資しています。

スタートアップというと赤字を掘りまくるイメージを持つ方もいるかと思いますが、僕らは「パーパスに向けて創りたい事業を丁寧に模索しながら立ち上げる」ことを優先したかったため、「キャッシュエンジン経営」をする意思決定をしました。

4月(創業1ヶ月)でやったこと:キャッシュエンジン事業の立ち上げ

2022年4月は、コンサルティング事業で4社と契約締結し「キャッシュエンジン事業」の基盤固めをしながら、メンタルヘルスアート事業の立ち上げを早いスピードで実行した1ヶ月でした。

絵本制作、音楽制作、エピソードアート制作、と3つのプロジェクトを同時並行で立ち上げ事業のPoC(概念実証)を始めました。

はじめて売上がたって法人の銀行口座にお金が入金された時は、いよいよ起業家としての人生がここから始まるんだなと感慨深い気持ちでした。

  • コンサルティング事業で4社と契約締結しデリバリーが始まる
  • はじめての売上をたてる
  • メンタルヘルスアート事業のビジネスモデルをある程度固めて契約書雛形を作る
  • 絵本制作のプロジェクトを始動する
  • 音楽制作のプロジェクトを始動する
  • エピソードアート制作のプロジェクトを始動する
  • 顧問税理士と契約する
  • 顧問弁護士と契約する
  • 商標登録の申請をする

5月(創業2ヶ月)でやったこと:アート事業のMVPの作成

2022年5月はアート事業のMVP(Minimum Viable Product)を作成した月でした。

  • 取締役COO就任
  • WEB制作案件を1社追加受注(ワンショット)
  • 大学院の授業でアート事業の日本と海外のMVPのアンケート調査を実施
  • 1人目の採用の内定を意思決定する
  • 創業融資の900万円が日本政策金融公庫とみずほ銀行から着金
  • クラウドファンディングを開始
  • はじめての株主総会(の議事録を作る)
  • 創業者株主間契約(ベスティング条項込み)
  • はじめて田中に役員報酬支払い
  • はじめての経営会議
  • Podcast番組『パパゲーノの秘密基地』の開始
  • 上島さんの自殺報道があり会社としての存在意義を考え直す

6月(創業3ヶ月)でやったこと:MVPの営業とクラウドファンディング

2022年6月は、MVP(Minimum Viable Product)の営業で成果が実り始めて可能性が見えてきた月でした。

法人向けの営業と、個人向けのクラウドファンディングで検証をしています。

  • MRR(月次経常収益)が100万円を超える
  • 6/1からはじめての社員雇用
  • OKRやKPIを設定する
  • アートのMVPの営業開始→3社と高い確度の商談ができて手応えを実感
  • シェアオフィスへの出社を週に2回はじめる
  • 朝のラジオ番組に生出演
  • はじめて福田に役員報酬支払い
  • VCさんとの壁打ち

一般的に事業を立ち上げる際は、PMF(プロダクトマーケットフィット)を目指していきます。自社のサービスと、市場・顧客にあるニーズが合っているのかどうかを検証していくということです。

あくまで肌感覚ではあるのですが、パパゲーノのメンタルヘルスアート事業について、ある程度PMFへの光が見えてきた1ヶ月で、とてもワクワクする瞬間が多かったです。

「起業してよかった」と思っていること

基本的に「手取りの収入が減った」ということ以外については、全ての要素において「起業してよかったな」と毎日感じています。

手取りが減ったことについても、最低限の生活費は役員報酬で取るようにさせてもらっているので、生活が激変したかというとそうでもありません。

もちろん、日々大変なことばかりですが、それをわかって始めたことなので。

むしろ、勇気を持って決断してよかったなと心から思っています。

創業直後の7つの成功要因

パパゲーノは、少なくとも現時点までは堅調に会社を経営できています。

「メンタルヘルス」というマネタイズが難しいと言われる分野で順調に事業の立ち上げを進められている要因として大きかったなと感じていることを7つご紹介します。

【1】キャッシュエンジン経営をとったこと

パパゲーノは創業から一貫して「キャッシュエンジン経営(起業)」をしています。

コンサルティング事業がキャッシュエンジン(スモールビジネス型の事業)、メンタルヘルスアート事業がスケール型の事業です。

キャッシュエンジン経営とは?

売上を確実に稼ぎ、事業を継続するための原資となるエンジン(事業継続の原動力)を持ってスケールしうる事業を起業する経営手法のこと。

キャッシュエンジン事業(受託開発など)の利益を、スケール型の事業に投資していく。

SaaSやAIという伸びてる業界で経験を積んだこともあり、そこで得た知見をコンサルティング事業として提供しています。

創業前から営業を徹底して、4社から口頭内示を獲得した状態で会社設立しました。

そのため創業直後から売上がたっていて黒字経営ができる状態でした。心理的にも落ち着いた状態で、パーパスに向けて創りたい事業に挑戦できる環境を作れているのが良かったなと思っています。

やすまさ
やすまさ

スタートアップ型の起業と比べて、キャッシュエンジン型の起業は知らない方も多いかと思いますが、再現性の高い起業手法として知られています。

『起業3年目までの教科書』では「サイバーエージェント」や、ホリエモンこと堀江貴文さんの「オン・ザ・エッヂ(ライブドア)」もキャッシュエンジン経営を実践していたケースとして紹介されています。起業直後に1番役立った本の1つです。

【2】固定費や経費を限界まで抑える意思決定をしたこと

リベ大のYouTubeや書籍でも口を酸っぱく言われていることですが、「固定費を抑えること」は家計や会社のキャッシュフローを改善する上でとても重要です。

  • 従業員はなるべく雇用しないで業務委託や外部サービスを利用する
  • 高いオフィスは契約せず格安のバーチャルオフィスやシェアオフィスを使う
  • 無料で使えるものをなるべく使う(Hubspotの無料プラン、Asanaの無料プラン、Google Workplaceをフル活用してMicrosoft Officeは使わない)
  • 役員報酬をなるべく安く設定する

などなど。

固定費を高めてしまうと、事業投資が柔軟にできなくなるので、特に変化の激しい創業直後は固定費を抑えることが推奨されます。

僕の場合、毎月15万円ほどあれば問題なく生活できるので役員報酬を20万円にして、手取りは16万円ほどにしています。

【3】COOとの「共同創業」にしたこと

当初は僕1人で起業するつもりだったのですが、色んな偶然が重なりCOOとの共同創業になりました。

共同創業にしたという決断は、パパゲーノにとって事業立ち上げのスピードを何倍にも加速させました。おそらく創業3ヶ月の今の地点まで辿り着くのに、1人で創業していたら1年以上はかかっていた気がします。

COO福田のnote「株式会社パパゲーノの取締役COOに就任しました。」でも紹介されているように、それぞれ得意分野や興味関心が異なるので、良い経営チームを創れたなと感じています。

CEOとCOOの特性

持株比率を決める際には、『起業のファイナンス』を何度も線を引いて読み直して意思決定しました。

資本政策は後戻りができない意思決定なので、基礎知識をしっかり学んで第三者からもフィードバックをもらいながら決めると良いかと思います。

やすまさ
やすまさ

自分が100%株主として法人設立した後に、誰かに株式をインセンティブとして参画いただく手続きをするのは若干コストもかかります。

創業前から資本政策の基礎知識は勉強しておいて、経営チームとして一緒にやりたい方と共同創業の形を取れるのが1番理想的な起業の始め方かと思います。

『起業のファイナンス』は初学者向けの教科書的な本なのでおすすめです。

【4】親友にエンジェル投資家として出資いただいたこと

パパゲーノはCOOとの共同創業にしただけでなく、1名エンジェル投資家として僕の大学時代からの親友でもある熊本さん(くまもん)に出資いただいています。3人を発起人として法人設立しました。

エンジェル投資家とは?

創業間もない企業に株式を受け取って出資する個人のこと。

「エンジェル投資家」「エンジェル」「ビジネスエンジェル」と呼ばれる。

毎月の経営会議で客観的なフィードバックをもらえるのが非常にありがたいです。

どうしてもCEOとCOOの2人だけでは目先の業務の追われて、「経営」と「執行」を分離できずに見落としがちな視点を補ってくれたり、「中長期で考えた時に別のKPIを追うべきではないか?」という指摘をいただけています。

また、僕があまり得意ではなかったPL、BS、CFを連動させたモデルをもとに事業計画を整理する視点や、スタートアップの失敗パターンなどをもとにアドバイスいただけるのが助かっています。

普段はSlackに入っているだけで細かな口出しをしてくることはないのですが、「エンジェル投資家に対する説明責任を果たせるだろうか?」という視点を常に脳の片隅にもって意思決定に臨むことになります。

外部株主がいるため、社長のワンマン経営で勝手に大きな決断をすることが、構造上も、心理的にも、できない環境を作れたのが良かったです。

やすまさ
やすまさ

例えば、1人目の社員採用を意思決定した際にも、「この意思決定がなぜ今必要なのか」「バーンレートがどれくらい上がり、ランウェイがどの程度縮まるのか」を説明した上で、内定を出すことを決めました。

信頼できる方に初期から外部株主として入ってもらったり、メンターとして相談できる人を外部に持つことは、より的確に経営を進めていく上でとても大切だなと思います。

【5】アートNFT事業にピボットしたこと

創業当初は「メンタルヘルス関連の事業をやる」ということしか決めていませんでした。

毎週ビデオ通話で事業アイデアを議論している中で、「とりあえずメディアビジネスから着手しよう」と決めて、3月中旬まではWEBメディアの構築作業をしていました。正直うまくいく自信はなく、ありきたりなビジネスモデルで、半信半疑の中で手を動かし始めていました。

「本当にこのまま突き進んで大丈夫だろうか?」という不安を抱えつつも動かないのはもっと不安なので見切り発車し始めたタイミングで、「NFTを活用できたら面白いんじゃないか?」というCOOの福田からの提言がありました。

NFTとは?

唯一性を証明できるデジタルデータのこと。「Non-Fungible Token」の頭文字。

日本語では「非代替性トークン」と略される。

そこから猛スピードで『NFTの教科書』という本を読んだり、NFT関連の記事を読み漁り、メンタルヘルス関連のアートとNFTを掛け合わせた事業でビジネスモデルを作りにいく方針に転換しました。

僕はNFTも、Web3も、アートも、全く未知の領域で、ゼロから学んで食らいついていこうとしています。

SaaSとは真逆の思想で経営する必要があるコンサルティング事業と、BtoBよりBtoCの要素が強いアート事業を立ち上げることは、かなり勇気のある決断でした。ですが、過去の成功体験を全て捨てて、アンラーニングし、新しい分野、これから伸びていく分野と「メンタルヘルス」を掛け算して挑む決断ができたのはとても良かったなと思います。

まだまだ日々勉強中ですが、NFTを事業に活用しようと思った理由は以下の3つです。

  • NFTの市場規模が急成長していたこと
  • 新しい技術を社会課題解決に適用できないか模索し社会実装するのがスタートアップの1つの役割であること
  • NFTやWeb3関連に優秀な人やお金が集まり始めていたこと

NFTを使うと決めてからは、一気に事業案の解像度が高まり、小さく早いスピードで検証を始めて行くことができました。新しい技術、伸びていく市場で戦うのは、スタートアップの正攻法だなと改めて実感しています。

そもそも「NFTとは何か」と「メンタルヘルスにどう生かそうとしているか」は以下の記事でまとめています。

nftNFTをメンタルヘルス事業にどう生かすか?

【6】パーパスを最優先に経営することを決めたこと

パパゲーノでは「生きててよかったと誰もが実感できる社会」を実現するというパーパスを最も重要な意思決定基準として経営しています。

『パーパス「意義化」する経済とその先』という本を読んで、ものすごく感銘を受けてこれこそが僕のやりたかったことだ!と感じて、実践できるように色んな方と議論しながら事業運営や収益の再投資の制度設計を考えています。

会社として、経営者として、「ぶれない軸」があると迷わずに経営できます。

「なぜ起業したのか?」「どんな社会を創りたいのか?」を丁寧に言語化して、パーパス(会社の存在意義)を掲げ、会社の全ての意思決定に落とし込めるのが1番理想的だなと思います。

【7】創業融資で900万円を確保できたこと

会社を経営する上で最も気にすべき指標は「現預金残高」です。

売上がなくても会社は潰れません。いくら借金しても潰れません。現預金残高がないと会社は潰れます。

現預金残高が不足して資金繰りにマインドシェアをとられたり、取引先への未払いが発生して信用を失い解約につながったりするともったいないです。そのため、基本的には「限界まで創業融資で借りる」ことを推奨します。

目安としては、「日本政策金融公庫で自己資本の2倍くらいは借りることができる」と言われています。

やすまさ
やすまさ

僕の場合は、500万円を3人で出資して会社設立していたので、1000万円くらいなら創業融資もいけるだろうという算段で、「900万円」で事業計画を作成し、日本政策金融公庫とみずほ銀行の2つの金融機関で融資の審査を通しました。

起業してみて感じたギャップ

起業してみて「思ってたのと違った!」というギャップはいくつか感じているのですが、その中でも特に大きかった「起業は孤独じゃなかった」ということと、「社長の仕事は雑務」ということをご紹介します。

起業は孤独じゃなかった

起業というと、孤軍奮闘するイメージがありました。「リーダーは孤独だ」という言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。

ですが、実際は色んな人に恵まれ、全く孤独は感じていません。

むしろ、社員が数百名いたサラリーマン時代の方が孤独だったとすら思います。

なぜかというと、顧客や業務委託のパートナーなども含めて、色んな方と一緒にパパゲーノという船を動かしている感覚があるからです。パパゲーノが掲げるパーパスを共通言語に、多様な人が「100 Papageno Story」という1つの大きな絵を描いていて、もう僕1人の夢じゃないんだなと感じます。

社長の仕事は雑務

社長というと「事業部長」的な動きをするものだと勝手な固定観念を持っていました。

ですが、株式会社パパゲーノの中での僕の役割はむしろ「管理部門の部長」です。

事業面はCOOの福田が全て見てくれています。僕は全てに関わってはいるものの、組織面を見る役割が強いです。

パパゲーノの組織構造

これは弊社に限った話ではなく、『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか』という本でも「社長の仕事は雑務になる」と語られています。なぜかというと、「明確に必要性が生じる業務は、それが得意な人を配置して任せる」ということをしていった結果、社長の仕事は「その他の全て」になることが多いからです。

外注する上でも管掌役員として経営戦略上適切な意思決定ができる必要があるため、創業直後はfreeeでの記帳作業、支払い、請求書発行、契約書の雛形作成、オフィスの内見、雇用契約の作成、労使協定の作成、労基署への届出、ハローワークへの届出、源泉所得税の計算と納付、労働保険料の納付、社会保険料の納付、給与計算、助成金申請、融資の調整などなど、まずは自分でやってみています。

創業3ヶ月の間で失敗して後悔している2つのこと

お陰様で今のところある程度順調に創業から3ヶ月間の歩みを進めてこれているのですが、この3ヶ月の間でも大きな失敗はいくつかありました。その中でも特に大きかった2つの失敗をご紹介します。

初歩的なこととはいえ、かなり再現性の高い失敗なので、これから起業する方は参考にしてもらえたらと思います。

【1】所得税の源泉徴収をミスしたこと

税金まわりについて僕は社会人1年目から副業で個人事業主として仕事をしていて、毎年確定申告をしていたので、ある程度慣れているつもりでした。しかしながら、基礎的な知識が一部抜けていて、初歩的な失敗をしてしまいました。

それが法人から「個人」に仕事を依頼した時に、所得税を源泉徴収して、代わりに法人が翌月10日までに支払わないといけない、というルールについてです。

僕はこのルールを曖昧にしか知らなくて、個人に対して「報酬+消費税」で報酬を支払ってしまっていました。

本来は「報酬+消費税-源泉徴収すべき所得税(多くの場合は10.21%)」を支払って、「預かり金」の勘定科目で記帳しておき、翌月10日までに税務署に納付しないといけません。

僕の場合は、ぎりぎり期日には間に合って対応することができたのですが、「副業で業務委託で手伝ってもらおう」と安易に報酬を支払うと、納付期日までに納付できずに追徴になることもあるようなので注意が必要です。特に創業直後は、雇用できず業務委託で仕事を依頼することも多いかと思うので、要注意です。

税金周りはfreeeの『起業時代』がものすごく図解がわかりやすくて、良かったです。

ただ、細かいところはわからないことが多すぎるので、税理士さんに都度質問しながら勉強しています。

【2】渋谷区の「制度融資」を使ったこと

資本政策は後戻りができない意思決定です。

弊社は「日本政策金融公庫から利率1.06%で300万円の創業融資」と「みずほ銀行から渋谷区の制度融資を利用して実質利率0.1%で600万円の創業融資」を受けています。合計900万円を確保できたこと、みずほ銀行さんとの取引実績を作れたことはとても大きな成果でした。

一方で、「もう一度やり直せるなら、日本政策金融公庫のみで900万円の創業融資を取りに行くべきだった」と後悔しています。その3つの理由を簡単にご紹介します。

制度融資とは?

地方自治体・金融機関・信用保証組合が連携して提供する融資のこと。

渋谷区の場合、信用保証組合が「この会社は信用できる」というお墨付きをする代わりに、利率の補填をしてくれることで、実質「利率0.1%」で創業融資を受けることができる。

①経営者の個人保証を外せなかった

制度融資の1番良くない点は、経営者の個人保証を外せなかったことです。

日本政策金融公庫は個人保証を外せるので必ず外しましょう。

利率がちょっと変わるくらいの話より、個人保証を外せるメリットの方が数倍大きいです。

②創業融資の調整に2倍の工数が発生した

創業融資で、2つの金融機関を使ったことで、単純計算で2倍の工数が発生しました。

また、日本政策金融公庫の審査はすぐに通ったのですが、信用保証組合の審査に時間がかかり、その審査結果を待たないと日本政策金融公庫も融資実行はできないという状態で、スピードも遅れました。

創業直後の重要な工数を融資対応に多く取られたのは痛手でした。

③渋谷区を出られなくなった

渋谷区の制度融資を使ったことで、利率の補填を受けられる代わりに「渋谷区で活動し続けないといけない」という縛りを受けます。経営の柔軟性を下げる意思決定をこのタイミングでしてよかったのか、少し悩みました。

会社の人数が増えて、良いシェアオフィスが見つかったけれど渋谷区ではないという場合に、どうしても渋谷区内にしなければならないという制約がつきます。

何が起きても「起業してよかった」と思うようにしてる

長い振り返りを読んでいただきありがとうございます。

本当に周囲の人に恵まれて、パパゲーノが掲げるパーパスに向けて真摯に挑戦できていることに感謝しながら、うまくいかないことも含めて日々楽しく過ごしています。

「起業してよかった」と実感する毎日です。どんなことが起きても、「起業してよかった」と思うようにしちゃうのが良いんだろうなと感じています。何度ピボットしても、自分たちらしい経営を継続して、メンタルヘルス産業の未来に貢献できるよう尽力します。

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