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【学習理論】レスポンデント条件づけ/試行錯誤学習/オペラント条件づけ/洞察学習/社会的学習とは?

人間も含めた動物は、日々何かを学び、より寿命を伸ばしたり、種の繁栄に繋がるようにしている。学習とは、経験の結果生じた比較的永続的な行動である。心理学の研究で動物実験により積み上げられてきた5つの代表的な学習理論を紹介する。

【1】レスポンデント条件づけ(古典的条件付け)

概要

刺激と反応の関係(エサ→唾液)があることに対して、全く関係ない刺激(ベルの音)を毎回与えると、全く関係ない刺激(ベルの音)からも同様の反応(唾液)が得られるようになるという学習。

研究者

イヴァン・パブロフ

実験内容

犬にエサを与えるときに「ベルの音」を鳴らすようにすると、ベルの音だけでも唾液分泌が起こるようになった。

犬の口の中に肉を入れると唾液が出るのは自然な生得的反応で「無条件反応(レスポンデント)」、無条件反応を引き起こすエサが無条件刺激(誘発刺激)。唾液が出るという無条件反応とは全く関係なかった「ベルの音」という刺激を「中性刺激」といい、学習が完了したら「条件刺激」と呼ばれる。

【2】試行錯誤学習

概要

行動とその結果の間の関連性を通じた試行錯誤による学習。

研究者

エドワード・ソーンダイク

実験内容

ネコを箱に閉じ込め、箱の前にエサを置いて行動を観察した。ランダムに行動して、しばらくすると偶然に箱の中のロープを引いて仕掛けが外れて箱から脱出できた。
これを繰り返すと、ネコは試行回数が増えるに連れて早く仕掛けを解いて脱出できるようになった。

【3】オペラント条件づけ

概要

行動の結果を操作することで、行動の頻度を変化させる学習。

研究者

B.F.スキナー

実験内容

ラットや鳩がレバーを押すと報酬(食べ物など)が与えられるスキナー箱という環境を作成。偶然レバーを押して報酬が与えられることにより、動物はその行動を増加させた。
逆に、レバーを押すと罰(電気ショックなど)が与えられる場合、動物はその行動を減少させた。

【4】洞察学習

概要

課題解決に対する方法を洞察することで一度で成立する学習。
(試行錯誤学習を批判する立場)

研究者

ケーラー

実験内容

手の届かない高い場所にバナナが吊るされた状況にチンパンジーを置いた。すると、箱や棒などの道具を使用してバナナを手に入れる方法を見つけ出した。

【5】社会的学習(観察学習)

概要

他者の行動や結果を観察することによる学習。
(モデルの行動やその結果を観察することで、個人の行動や態度の形成に影響を与える)

研究者

アルバート・バンデューラ

実験内容

人間の子どもたちに、大人が「ボボ人形」を攻撃する様子を見せた。その結果、子どもたちが模倣して「ボボ人形」を攻撃した。

まとめ

心理学の代表的な学習理論を5つ簡単にまとめてみた。

現代社会を生きる我々は「健康に悪い行動」を学習し過ぎている側面があるように思う。例えば、職場でみんなが夜遅くまで働いていると、つい自分も残業してしまったり。飲みたくもないお酒を飲んだり。お金という報酬に条件付けされ過ぎたり。

学習理論を学ぶことで、自分の行動がどのような背景で起こっていて、どうすれば別の行動に変えることができるのか、考えるきっかけにしたいと思う。