こんにちは。Mental Health Bizというメンタルヘルス領域に特化したビジネスコンテストを立ち上げて運営している田中康雅です。
いよいよ第一回の応募いただいた18チームの事業案について選考を進めていくので、事業を評価する上での基準についてまとめておこうと思います。
事業を評価する一般的な3つの視点
事業への投資をする上で一般的には「マーケット」「アイデア」「チーム」という3つの切り口で事業を評価すると言われています。
- Right Market:正しいマーケットか?
- Right Idea:正しいアイデアか?
- Right Team:正しいチームか?
【1】良いマーケットにアプローチする事業か?
1つ目がマーケット。市場規模は充分大きいのか?伸びているマーケットなのか?です。
「TAMはどれくらいですか」とベンチャーキャピタルの方はよく質問すると思います。
- TAM(タム):Total Addressable Market:想定している全体の市場規模
- SAM(サム):Serviceable Available Market:狙いにいく市場規模
- SOM(ソム):Serviceable Obtainable Market:獲得できそうな市場規模
【2】良いアイデア(ビジネスモデル・プロダクト)の事業か?
2つ目がアイデア。マーケットがあったとしてもアプローチ方法がトンチンカンだとビジネスはうまくいきません。正しい切り口でマーケットを捉えて、顧客に買ってもらえる価値を創れるのかどうかが問われます。
そのためには、プロダクトの「バリュープロポジション」を明確にすることが大切です。
プロダクト・バリュー・プロポジション
- 顧客が求めている価値か?
- 競合には創れない価値か?
- 自社に創ることができる価値か?
顧客が求めているけれど、競合には創れないものが何なのか。そしてその価値はどうやったら創れるのかを頭を捻って考えていく必要があります。
【3】良いチームか?
3つ目がチーム。どんなに素晴らしい事業計画を創っても、突然市場環境が変わったり、新しい技術が開発されたり、競合が現れたりと、ビジネスには不確実性がつきものです。
そのため、不確実性と向き合い良い事業を創り続けるために良いチームかどうかが大切になります。
Mental Health Biz 2021の選考基準
原則は「マーケット」「アイデア」「チーム」
一般的な事業をみる3つの視点である「マーケット」「アイデア」「チーム」は原則としては同様です。株式投資でも、就活でも、事業提携でも、ビジコンでも、ビジネスを評価する上でこの3つは基本原則になると思います。
ただし、「マーケット」の捉え方については、Mental Health Bizについては大きく異なる考え方で評価しようと思っています。
市場規模や営業利益を大きく求めない
マーケットについて、通常のビジネスは営業利益をどれだけ最大化していけるかを重視します。
しかし今回のビジネスコンテスト「Mental Health Biz 2021」では市場規模や見込める営業利益の大きさは一切選考基準として考慮しないこととします。なぜなら、簡単に儲かる市場には既にビジネスがあるからです。
メンタルヘルス・自殺予防への個人、NPO、民間企業の挑戦を応援するためには、目先の短期的な収益を優先しすぎない姿勢が大切だと考えています。そのため、活動が持続するモデルを創れていれば、極論売上が「0円」でも良い事業と考えて評価を進めていこうと思います。
社会課題に対して意味のある挑戦をしているか?
どちらかというと優先して評価することは、「社会課題に対して意味のある挑戦をしているか?」です。意味のある挑戦とは、他の民間企業のサービスや政策では解決できていない「何か」に挑んでいるということです。
良い事業を1つでも多く社会実装していく
正直、優劣をつけるのは難しいですが、ビジネスコンテストという特性上、優勝チームを1つ選ばなくてはなりません。選考基準を洗練させた上で、各事業案を定量評価し、説明責任を果たせるように選考を進めていこうと思います。
もちろん、18チームのうち、優勝チームに選ばれなかった17チームに対しても、少しでも社会実装する上で力になれるよう協力していく所存です。
良い事業を1つでも多く社会実装していけるようがんばります!
↑事業創りのバイブルです。